オープンバンキングの「次」を読む──PSD3と日本のAPI戦略
欧州の最新動向から、日本の金融機関が今すぐ準備すべきことを整理しました。

「競争から共創へ」──国内金融業界で繰り返し語られてきたこのフレーズが、決済領域でついに具体的な形を取り始めています。2025年後半から2026年にかけて、メガバンク3行がそれぞれ異なるフィンテック企業とAPI連携による決済サービスの共同開発を発表しました。
注目すべきは、従来の「銀行がフィンテックのサービスを取り込む」パターンではなく、「フィンテックのUXレイヤーが銀行のインフラを活用する」という逆方向の連携が増えている点です。銀行側は決済処理基盤とコンプライアンス機能を提供し、フィンテック側がユーザー体験と顧客獲得を担います。
あるメガバンクとQRコード決済スタートアップの連携事例では、銀行口座からの即時引き落とし決済をAPIベースで実現。従来のデビットカードネットワークを介さないため、手数料を約40%削減することに成功しています。加盟店にとっては決済コストの低下、消費者にとってはポイント還元の原資確保につながります。
こうした共創を支えるのが、ISO 20022に準拠した標準メッセージフォーマットの普及です。全銀ネットの次期システムがISO 20022を全面採用することで、国内外の決済ネットワーク間のインターオペラビリティが大きく向上すると期待されています。